「書か?ARTか?造形か?」
そのいずれでもあり、そのいずれでもない強い個性を放つ、今までにない現代書家を超えた【岡本光平】のオンリーワン・アート作品の初展覧です。
【Before Christ】=「紀元前」のタイトルには、欧米スタイルの今日的なグローバルスタンダードのアートでもなく、そのスタイルの影響下にもない、はるかなる古代とタイムトンネルでつながっている自負心の象徴的な深い意味が込められています。
それは1万年前の人類遺産であり、未知なるユーラシア・アジアの「岩画」の調査研究を20年にわたってフィールドワークとしてきたOKAMOTOの太古への憧憬であり、自然への回帰や畏敬、原初の信仰心への尊崇が背景にあります。
地球の誕生から46億年、そして人類の誕生から20万年、その間に起こった生命の進化、それら時空を超えたOKAMOTOの想像力が常識の殻を打ち破り、新しい世界観の作品を披露します。
人の一生は、いつの時代も喜怒哀楽を繰り返す心の成長や変化はありますが、心そのものの進化ではありません。一方で物質文明は自然を破壊しながらテクノロジーは累積し、堆積して現在も加速度的な進行形です。
今日の人類が培ってきた、過剰とも思える科学テクノロジーに依存した、経済優先の現代文明の進展を誰もリセットすることはできません。安穏の光が見えない閉塞感が、時に人の心を押し潰してもいます。
OKAMOTO作品は太古から人が持つ根源的、普遍的な無限過去、無限未来の精神世界を表現することで自由に逍遙し、心の解放区としています。
人が歩いて来た歴史を遠くから俯瞰する鳥の眼と、深層や底辺に迫る蟻の眼の両方が作品に反映しています。
それらはOKAMOTO作品でありながらOKAMOTOの個を超えた現代から未来への護符のような、人が人として心豊かに生きるための、シンボリックで道標的な存在に成りうるだけのメタファがあると感じさせてくれます。
OKAMOTO作品の表現が書であり、アートであり、造形でありながら、しかしそのいずれにも当てはまらない、奇才の所業と言われる所以(ゆえん)です。
