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《銀座》インテリア書展 Vol.8
2017.4.25→4.29
銀座第7ビルギャラリー
書の魅力の根源は線にあります。
それが文字の意味と造形とが三位一体となり、イメージの世界へと誘います。
イメージを線と形で表現するのが書の世界ですが、形よりもはるかにハードルが高いのが線です。
書の線とは人工的な直線もありますが、自然界に息づくゆらぎが宿る摂理の線を大きな理想としてきました。線をものにするには鍛練を必要とします。鍛練なしに線性の獲得はなく、書の本質に迫ることはできません。
インテリア書展の作品は個が競い合うかのように類型がなく、それぞれが求める線と造形に想いを託して、今日の書に、そして明日の自分に挑戦しています。
約50点の作品をご高覧ください。
☆受賞作品
☆CACA現代アート書作家協会賞 「蝶」 胡蝶(会友)
書として成立するいちばん重要な線質を、「蝶」のイメージ通りに軽やかに表現しました。造形バランス、レイアウト、適度な装飾性も加えてインテリア作品として総合的な完成度に達しています。
☆ベストカリグラフィ賞 「まほろば」 撫子(正会員)
一見すると派手さはありませんが、絵の具を調合した奥行きのある墨色と、素直にして絶妙な平仮名のオリジナリティのある造形と構成に成功しています。余白もよく吟味されて全体に見飽きない落ち着いた作風を展開させました。
☆ベストインテリア賞 「Rainy Forest」 岩科蓮花(会友)
現代的な日本画を思わせる点と線による抽象画面は、新鮮なビジュアル風景をほうふつとさせます。点にはリズム感があり、無機質に交錯する無数の線とのコントラストは不思議な情緒を感じさせます。
☆CACA特別顧問賞 「蓮」 白子谿雪(正会員)
蓮という大輪の花が咲いているイメージとは裏腹に、カスレを主体にした激しい線は荒涼とした枯れ蓮の世界を思わせます。イメージに媚びることなく、毅然とした貫通力は枯淡(こたん)の書の気概を示しています。
☆特別出品 「守破離」 岡本光平