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CACA現代アート書展 vol.6
2015.9.8→9.13
アートスペースリビーナ
第6回めの「CACA現代アート書展」が表参道・アートスペース リビーナで開幕しました。大作2点を含む個性を競う31点の展覧です。
少字数、多字数、詩文、抽象、版画などにオリジナル墨の使用やコラージュの技法を合体した作品など、作者の創意工夫が光ります。
CACAの作家がいちばん心がけていることは、人の模倣をしない、団体のスタイルを踏襲しないことです。
「FEEL」横浜展はスケール感のある現代アートに挑戦しましたが、CACAのホームグラウンドとも言える「CACA現代アート書展」は、紙、墨、筆の使用を基本に、作家としての自己主張と現代の書を試行する場として位置付けております。
ご高覧ご批評を賜りますようにお願い申し上げます。
~受賞作品~
☆CACAアートスピリッツ賞
「幻」 一緑七菜
紙を選び、紙のテクスチャーを生かしながら文字を造形化した空間表現に成功しました。墨の醸し出すニジミの情緒も余韻があります。書とデザインの融合でもあります。さらなる開拓精神を期待します。
☆CACAアートフロンティア賞
「輪廻転生」 土井石心
漢字の印とアルファベットを同一画面上に果敢に布置し、ミスマッチを成功させました。発想にオリジナリティがあり、オリジナルの墨の景色もたいへん有効です。
☆CACAアートフロンティア賞
「風神雷神」 雷鼓
素材のもつエネルギーを引き出し、ダイナミックに構成し統合しています。筆に代わる混沌とした線と面の交錯は、書的な美を新たなる角度で照射しました。 書の考え方の可能性を大いに実験しました。
☆CACAアート奨励賞
「遊」 吉野大遊
「飛白体」の技法を用いながら独特のバランスと風景を生み出しました。書道的なプロポーションに一切とらわれず、伸びやかな自由さが溢れています。表現することは楽しさが原点であることを示しており賞賛に値(あたい)します。
☆CACA特別顧問賞
「メッセージ」 安藤破竹
書とコラージュが合体し、古代と現代が一つの調和を示してノスタルジックな画面を作り上げました。全体にセピアトーンの重層的で奥行きのある表現コンセプトは想像力を呼び起こします。
☆CACA特別顧問賞
「山」 小林桃李
太い線でありながら軽やかでストレートな書線の表現に潔(いさぎよ)さを感じさせます。書の一回性というきわめてシンプルで書らしい美しさを備えています。紙面への文字レイアウトも浮遊感の妙を得ました。