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第1回 臨書展
2012.12.3→12.7
(財)和敬塾 旧細川侯爵邸
CACA現代アート書作家協会の後援による第1回「臨書展」が、2012年12月3日より東京目白台・旧細川侯爵邸の和敬塾本館にて開催されました。
全紙臨書作品21点、半折以内の倣書作品12点の計33点が陳列となりました。
臨書対象の古典は金文3点をはじめ石鼓文、小篆、楊淮表紀、中岳嵩高霊廟碑、サン宝子碑などの金石文、木簡、王羲之や顔眞卿、空海、蘇軾、伊秉授などたいへん幅広く書かれています。
古典の原典がもつ筆法の巧みさや配置の絶妙さ、そして品性や格調の高さをいかに吸収し再現しているか、また半折ではなく全紙臨書という全体の再構成力も要求される点が見どころとしてあります。
現代のアートとしての書のステージを展開するCACAの作家たちの臨書作品は、古典という伝統を踏まえたところに確固たる根拠を示すものとして注目されます。
古典と現代という車の両輪のような関係は、書の大きな宿命的な特徴です。温故知新の精神性を真摯に追求するCACAの研究スタンスを新たに示すことになった臨書の表現でした。
受賞作品は次の5作品です。
第1回『臨書展』の受賞作品は次のような理由によって設けられております。
☆瑞鳳賞 「張李明帖」 米芾(宋) 原田栄子
古典の筆法によく準拠し、研鑽の結果きわめて完成度が高いと認められる作品。
☆金虎賞 「争坐位文稿」 顔眞卿(唐) 西川梨世
古典の筆法に即しながらも、筆力旺盛にして貫通力と気魂の溢れた作品。
☆寶亀賞 「石鼓文」(春秋) 土井由紀子
金石の気をとらえながら修練した的確な筆法を駆使し、荘重沈着な雰囲気をたたえた作品。
☆龍門賞 「額済納居延後漢簡」 木簡(漢) 小林麻子
臨書の筆法が努力研鑽の末に飛躍的に上達し、臨書として自己表現の領域に達した作品。
☆太白賞 「月精」 山本撫子
古典の原典をよく消化し、雰囲気を損なわずに「倣書」の創作性に富み個の表現に昇華した作品。
~特別出品~
「蘭亭叙」 王義之(東晋) 岡本光平
「因果」 岡本光平