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風車の唄
長田風虹
2012.8.4~12
ギャラリー五峯
~雅号と個展の一歩~
長らく書にいそしんできた私が、本格的に書の勉強をし直す覚悟で新たに岡本光平先生の門を叩いてすでに数年が経ちました。そして初個展開催を決めるにあたり、再出発のしるしとして私の心情にピッタリの「風虹・ふうこう」の雅号を頂戴しました。こんな素敵な名前をいただいていいのか、と身の引き締まる思いでした。
そこで個展のテーマとして雅号の一文字である「風」を心象として考えてみました。
風は無色透明でつかみどころがないのにもかかわらず、多種多様にそして自由に吹いている。そんな「風」の作品づくりをしてみたいと思い至りました。
さまざまな「風」を想像し、揺らぎや湿度をどのような線で表現したらいいのか。にじみとかすれ、割れ線、余白と意識の挑戦を続けました。
しかし個展は作品だけではなく、素敵な人たちとの出会いの場でもありました。
ご来場くださった皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです。
はじめてお会いした方から“ふうこうさん”と呼ばれたり、個展という大仕事の達成感もあり、やっと実感として「風虹」の名を身にまとうことができました。
生みだした作品は常に過去の産物となります。しかし、日々新しい作品を生みだす パワーがなければ過去という道程を作ることは叶いません。そのためには古典をしっかり勉強し、新しい表現にも果敢に挑戦し、書きたい書を心のままに書き続けられるように成長したいと考えております。
そしてライバルは、昨日の私だと言えるほどに自分を高めたいと思います。
2012年初秋 長田風虹