Contemporary Art Calligraphers Assosiation (CACA)。現代書家 岡本光平氏が特別顧問を務める書作家協会です。

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名古屋遊墨展 vol.9
2020.1.14→1.19
栄・サンシティギャラリー

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CACA現代アート書作家協会の名古屋支部である名古屋遊墨会の展覧会が、市の中心の栄で今月14日からスタートしました。
 今回のテーマは「Bad & Nice」として2部屋あるギャラリーの第1室に共通テーマのバッド・カリグラフィー19点、第2室はナイス・カリグラフィーとして個人の思い思いの書、書画、ミニ・アート、バッド・インテリア作品など20数点が陳列されました。
 バッド・カリグラフィー作品は大きいものは6畳ほどの大きさから小さいものでも畳1枚ぐらいの作品が、ランダムに壁一面に交錯した迫力ある空間を作り出しました。
 バッド・カリグラフィー作品は昨年のCACA銀座コンテンポラリー展の名古屋バージョンです。
 ナイス-カリグラフィーは、古典に準拠した書、書と画を一体化させた文人タイプのもの、コラージュなどの美術手法を採り入れたミニ・アート、バッド・カリグラフィーもインテリア作品に成りうるとした作品など、バラエティー豊かな個性が競いました。
 遊墨展は昨年も連日100人越えの大盛況でしたが、今回も初日から100人を越える人だかりとなりました。とくにハガキ作品や印、書を活かした手作りアクセサリーや雑貨などの物販コーナーはファンのたいへんな人気コーナーで、たくさんのお買い上げをいただきました。

 初日にバッド・カリグラフィーをご覧になった、かくしゃくとした81歳の男性が、
 「百姓一揆ののぼり旗のようだ。怖いよね、人の怨念を感じる。何か意味があるはず、刺激になった。」    との会話が聞こえてきました。さすが人生のベテラン81歳!ちゃんと作品の創意を受け止めてくださり、いい例えを言ってくださってる、とこちらが深く感じ入りました。
 バッド・カリグラフィーは一見、脱書道的、反書道的に見えますが、真の目的は、漢字が本来もっているシャーマニズム(呪術性)のエネルギーを引き出すことにあります。漢字は、芸術や伝達のツールになる以前の存在は、シャーマニズムの原初エネルギーに満ちていました。
 後に芸術となる書道は、この漢字の奥底にあるシャーマニズムのスピリットがあればこそでした。書体が変化しても字形の奥底にそれが今でも潜んでいるのです。漢字が時に神聖視されるゆえんです。それがなかったらただの文字デザインで単なる伝達の道具に過ぎなかったでしょう。
 漢字をモティーフにした書道が東洋における第一位の芸術になり、それに対して西洋のアルファベットが、装飾的なカリグラフィーとしてさほど精神性を問われないで終わってしまったことの違いの根源はここにあります。
 バッド・カリグラフィーの創意は、あえて伝統の筆法や字形を捨て去り、書道以前の原初エネルギーを取り戻し、一心不乱に書く行為そのものから漢字のフィジカルなダイナミズムを感じとってもらうことにありました。それを見事にキャッチしてくださった81歳のお客様をはじめとして来場し、アンケートやいろいろなナマの声を聞かせてくださった多くの方々に厚く御礼申し上げます。

出品者一同

【受賞作】


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アート・パイオニア賞 「星」笠岡放虎
真鍮やステンレスの金属板を使用しての造形表現は、星の輝きをどこかにイメージしていると思われます。左右対称の星の字に対して、穴開きステンレスの板を左右不対称にかぶせて、変化のある全体バランスを中和させている工夫が最大ポイントになっています。


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アート・パイオニア賞 「輪」神田風香
漆喰壁のような下地塗りのテクスチャーが、脇役でありながら静かなヴァイブレーションを醸し出しています。その上に透明感のある、しかもどこか懐かしい色調に癒されます。主張を押さえた文字は、引っ掻きの痕跡にとどめたことで素材感、色調、文字性の三者が共鳴しました。


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アート・パイオニア賞 「土」伴 一想
変哲もない紙袋の素材を大胆に採用し、さらに異素材の錆びた金属を組み合わせたシンプルな画面は、十分なインパクトがあります。
アートの基本は、素材への着眼点と引き出しかたの手法にあります。過剰な装飾を排したことがインパクトにつながりました。


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ヒューマン・アート賞 「人」虹橋
たった二画の人の字を握り会う手の姿に見立てた発想は、文字の呪縛から離れたイメージの飛翔力があります。イメージこそが表現の起爆剤になり、牽引力となります。紙のコヨリで執拗に画面を埋め尽くした手法は、イメージへの愛情と愛着の深さを感じさせます。


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アート・カリグラフィー賞 「向こう側へ」芋切丸
流れるような自然な筆線のリズムが心地よさを刺激します。そこには空間性と時間性も宿ります。疎密が醸し出す余白は美のエッセンスとなり、流動する書線は、時の移ろいやひいては無常感までを暗喩させるのです。


扇丘_
アート・カリグラフィー賞 「無心」扇丘
モティーフにした千字文の埋め尽くした文字からは、まるで朗々たる読経のような音の世界が聞こえてきます。視覚から聴覚へ、書の表現の広角性を示しています。ヴィジュアルなイメージを喚起させる力も書にはあります。

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